津波避難タワーはどこにある?高さ・収容人数・費用と避難の盲点を2026年最新解説

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津波避難タワーはどこにある?高さ・収容人数・費用と避難の盲点を2026年最新解説
津波避難タワーはどこにある?高さ・収容人数・費用と避難の盲点を2026年最新解説
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🎵 津波避難タワーはどこにある?高さ・収容人数・費用と避難の盲点を2026年最新解説

津波避難タワーは、津波から逃げるための高台や十分な高さの建物が近くにない地域で、住民の命を守るために整備される緊急避難施設です。地上10〜20m程度の高さを持つ施設もありますが、必要な高さや避難フロアの位置は、地域ごとの津波浸水想定、地盤の高さ、地形などによって異なります。

2026年10月には、南海トラフ巨大地震への備えとして、三重県紀宝町の鵜殿地区で町内5基目となる津波避難タワーが完成しました。東海テレビの報道によると、避難フロアは海抜14m、屋上は海抜18mで、約100人を収容できます。同町では、地震発生から最短約5分で津波の第一波が到達し、最大11mの津波が想定されています。避難を開始するまでの時間が、文字どおり生死を分ける地域です。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 設置場所:全国の津波浸水想定区域のうち、高台への避難が難しい沿岸部や住宅密集地などに整備されています。
  • 高さと仕組み:地上10〜20m程度の施設もありますが、全国一律の高さではありません。設計浸水深や基準水位、余裕高、地盤条件を踏まえて計画されます。
  • 収容人数と費用:100人前後から数百人規模まで幅があり、大規模施設では建設費が数億円に達する例もあります。
  • 施錠と避難方法:自動解錠装置や鍵ボックス、非常用の破壊可能な扉など、施設ごとに緊急時の開錠方法が異なります。
  • 最優先の判断:安全な高台へ速やかに逃げられる場合は高台避難が基本です。間に合わない場合は、近くの指定された津波避難タワーなどへ直ちに避難します。

【2026年最新】津波避難タワーはどこにある?全国の設置状況と地域差

津波避難タワーは、津波が到達する可能性がある地域のすべてに建設されているわけではありません。主な設置対象は、津波浸水想定区域にあり、近くに安全な高台がない場所、避難場所まで距離がある住宅密集地、短時間で津波が到達する地域などです。

設置場所を調べるときは、自治体の防災マップや津波ハザードマップ、指定緊急避難場所の一覧を確認するのが基本です。施設名に「津波避難タワー」と書かれていても、所在地や避難対象区域、収容人数、利用条件はそれぞれ異なります。

全国の設置数は?2026年に確認できる公表データ

内閣府が公表した「津波避難ビル・津波避難タワー等に関する取組調査結果」では、2023年4月1日時点の全国の津波避難タワー等は550棟でした。このうち、南海トラフ地震防災対策推進地域では471棟、津波避難対策特別強化地域では414棟が整備されていました。

ここでいう「津波避難タワー等」には、一般的な鉄骨のやぐら型だけでなく、建物型、マウンド型、人工地盤、避難シェルターなども含まれます。また、内閣府の全国集計は2023年4月時点の調査を基礎としており、2026年10月現在の新設分をすべて反映した最新の全国総数とは限りません。全国の状況を比較する際は、集計時点を確認する必要があります。

都道府県によって設置数が違う理由

設置数は、津波の想定規模だけで決まるものではありません。避難できる高台の有無、海岸から住宅地までの地形、津波到達時間、人口密度、既存建築物の活用可能性、建設用地や財源など、複数の条件が関係します。

内閣府の2023年4月時点の都道府県別資料では、津波避難タワー等の数は静岡県140棟、高知県123棟、宮城県34棟、三重県38棟などでした。愛知県は18棟、和歌山県は37棟です。これらは同じ基準時点の数字であり、その後の新設状況とは区別して読む必要があります。

また、タワーが少ない地域でも、津波避難ビルや高台、人工的に造成した避難場所などを組み合わせている場合があります。反対に、施設が多数整備されていても、避難対象人口に対して収容力が不足していれば、対策が十分とはいえません。

設置が進んでも残る課題

内閣府の調査では、津波避難タワー等の整備・指定がある市区町村のうち、収容可能人数が避難対象人数に対して不足していると回答した自治体は66市区町村、17%でした。「足りている」と回答した自治体は196市区町村、52%で、残る31%は「分からない・無回答」でした。

この結果が示すのは、施設の数を増やすだけでは十分でないということです。どの地域の住民が、何分で、どの経路を通って到着できるのか。高齢者や車いす利用者も上階へ移動できるのか。こうした条件を含めて、実際の避難能力を評価する必要があります。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:kuroshio-kanko.net)

【高さ・設計基準】津波避難タワーはどう命を守る?浸水深と余裕高の考え方

津波避難タワーの高さを理解するうえで、まず区別したいのが「津波の高さ」「設計浸水深」「避難フロアの高さ」です。この3つは同じ数値ではありません。

  • 津波の高さ:津波が基準となる海面からどの程度の高さまで達するかを示す数値です。
  • 設計浸水深:想定される津波が陸地に浸入した場合、地盤面からどの程度の深さまで水に浸かるかを示します。
  • 避難フロアの高さ:実際に人が避難する床の高さです。地盤面からの高さと、海抜などの標高は区別して確認します。

海岸から離れた場所でも地形によって浸水深が大きくなる場合があります。逆に、海に近くても地盤が高ければ、同じ津波高の想定でも浸水条件は変わります。そのため、海からの距離やタワー自体の高さだけで、安全性を判断することはできません。

「設計浸水深+余裕高2〜4m」は全国共通の法律上の基準?

津波避難タワーの解説でよく見かけるのが、設計浸水深に余裕高2〜4m程度を加えるという考え方です。これは、想定水位に対して避難場所の高さを確保するという考え方を理解するための目安として扱われます。

ただし、余裕高2〜4mが、すべての津波避難タワーに一律で適用される法定の最低基準というわけではありません。実際の計画では、津波防災地域づくりに関する法律に基づく基準水位、自治体の津波浸水想定、地盤沈下、津波のせり上がり、漂流物、構造安全性などを考慮して避難フロアの高さを決定します。

国土交通省の津波避難施設に関する技術資料でも、避難場所を基準水位以上に設けることや、地盤変動、漂流物、火災などの影響を考慮して適切な余裕高を設定することが示されています。したがって、住民が確認すべきなのは、単に「高さが何mか」ではなく、想定される津波に対して避難床がどの高さに設けられているかです。

透過構造とピロティが津波の力を逃がす

津波避難タワーの多くは、鉄骨などを使った骨組みを持ち、地上階の壁面を開放した構造になっています。柱や梁を中心にして水が通り抜ける空間を確保する設計は、一般に「透過構造」と呼ばれます。建物の下部を開放した構造は「ピロティ」と表現されることもあります。

津波が建物の壁面に直接ぶつかると、大きな水圧や波力が作用します。開放部分を設けて水が通り抜けられるようにすることで、壁面に水圧が集中する影響を抑えることが設計上の狙いです。

もっとも、透過構造なら津波の影響を受けないという意味ではありません。流木や車両などの漂流物が柱に衝突する可能性があり、流れによる力、浮力、基礎への負荷、地盤の液状化なども考慮する必要があります。安全性は、構造の形だけでなく、地域の想定条件に基づく設計全体で判断されます。

津波避難タワーの収容人数は何人?

収容人数は施設の規模、避難床の面積、階段の幅、避難経路の数などによって異なります。100〜500人程度を収容できる施設もありますが、すべてのタワーが同じ人数を受け入れられるわけではありません。

さらに、収容人数は「建物に入れる人数」を表すもので、地域住民全員が実際に安全に避難できることを保証する数字ではありません。津波が到達するまでに階段を上りきれるか、入口で混雑しないか、要配慮者が利用できるかといった条件も重要です。

【実例比較】紀宝町と西尾市の津波避難タワー、高さ・人数・設備の違い

津波避難タワーの実態を理解するには、実際の自治体の施設を比べるのが有効です。2026年10月に完成が報じられた三重県紀宝町の新しいタワーと、愛知県西尾市の公表資料から、設計や避難対象の違いを見てみます。

対象・項目公表されている数値・内容確認したいポイント
全国の津波避難タワー等550棟内閣府の集計は2023年4月1日時点。2026年の最新総数とは区別が必要
南海トラフ地震防災対策推進地域471棟同じく2023年4月時点の集計
三重県紀宝町・鵜殿地区の新設タワー避難フロアは海抜14m、屋上は海抜18m、約100人収容2026年10月23日の報道で完成が伝えられた町内5基目。海から約600m
紀宝町の津波想定第一波が最短約5分で到達、最大11m地域の想定であり、すべての地点で到達時間や水位が同じという意味ではない
愛知県西尾市の7基公表された収容人数は約100〜450人。避難床の高さは3.1〜5.6m各タワーで想定される基準水位と床の高さが異なる
西尾市・小栗地区基準水位2.0m、床の高さ5.4m、約100人収容高齢者、障害のある人、妊婦、小さな子ども連れなどの要配慮者や、遠くまで逃げられない人を想定
高知県黒潮町の施設例高さ約25m、約230人収容、建設費約5億9,000万円2023年の視察報道で紹介された例。建設費は規模や仕様、工事条件によって異なる

三重県紀宝町・鵜殿地区は「近くに逃げ先がある」ことが重要

東海テレビの2026年10月23日の報道によると、紀宝町で完成した5基目の津波避難タワーは、海から約600mの場所にあります。避難フロアは海抜14m、屋上は海抜18mで、約100平方メートルの避難スペースに約100人を収容できます。非常食や毛布、ベッド、簡易トイレも備えています。

同町では南海トラフ巨大地震が発生した場合、第一波が最短約5分で到達し、最大11mの津波が想定されています。こうした条件では、遠くの高台まで移動することが難しい住民にとって、近くに緊急避難先があること自体が大きな意味を持ちます。

ただし、「海抜14m」は避難フロアの標高を示す数値であり、タワーの地上からの高さが14mという意味ではありません。また、津波の最大想定高と避難フロアの標高を、数字だけで単純に差し引いて安全性を判断することもできません。地盤高や津波の想定条件を合わせて確認する必要があります。

西尾市では要配慮者の避難を重視

西尾市の公式ウェブサイトには、市内7基の津波避難タワーの所在地、想定される基準水位、床の高さ、収容人数が掲載されています。収容人数は約100〜450人で、施設ごとに違いがあります。

特に小栗地区のタワーは、75歳以上の高齢者、障害のある人、要介護3以上の人、小さな子どもを連れた人、妊婦などの要配慮者や、遠くまで避難することが難しい人を主な対象としています。

同市の施設には、担架を横向きにして通れる幅を確保した階段、備蓄倉庫、防風用の横幕を取り付けられる避難フロアなどの工夫があります。入口には震度5強程度の揺れを感知して自動解錠する地震解錠ボックスも設けられています。

こうした事例から分かるのは、津波避難タワーの評価は高さだけでは決まらないということです。誰を避難対象とするか、短時間で上れるか、夜間でも入れるか、避難後に雨風をしのげるかなど、地域ごとの課題に合わせた設計が求められます。

活動歴および当時の関連ビジュアル記録
【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:読売新聞)

【施錠・開錠方法】津波避難タワーが鍵で閉まっていたらどうする?

津波避難タワーの入口は、防犯や施設管理の都合で平常時に施錠されている場合があります。そのため、災害時に鍵が開かず避難できないのではないかと心配する人もいるでしょう。

実際には、緊急時に避難できるよう、施設ごとに自動解錠装置、鍵ボックス、非常用の破壊可能な扉、地域住民への鍵の預託などの仕組みが採用されています。ただし、すべてのタワーに同じ方式が設置されているわけではありません。

代表的な3つの開錠方式

  • 自動解錠装置:所定の震度や津波警報などを条件に、入口を自動的に解錠する方式です。作動条件は施設によって異なります。
  • 震度感知式の鍵ボックス:地震の揺れを感知すると鍵ボックスが解錠し、中に保管された鍵を取り出して入口を開ける方式です。
  • 非常用の破壊可能な扉や窓:通常の開錠が難しい場合に、指定された部分を破って鍵を操作し、避難経路を確保する方式です。使用方法は現地の案内に従います。

内閣府が2025年に公表した津波避難タワーの解錠事例では、震度5弱以上の揺れで鍵保管庫が自動解錠する方式や、震度5弱以上の揺れ、緊急地震速報、津波警報などを条件に扉を自動解錠する方式が紹介されています。また、自治会長などに鍵を渡す方法と組み合わせる事例もあります。

同資料では、紹介された解錠事例について、当時の津波避難で支障が生じた事例は確認されていないとされています。ただし、これはすべての施設であらゆる状況に問題が起きないことを保証するものではありません。

発災時に取るべき行動

強い揺れや長い揺れを感じたときは、津波警報の発表を待たず、避難を開始してください。入口が施錠されていた場合は、まず現地の案内板に示された緊急時の開錠手順を確認します。破壊可能な窓や扉が指定されている場合は、その表示に従って使用します。

開錠方法が分からず、津波の到達が迫っている場合に、鍵を探し続けたり、管理者が来るまで待ったりするのは危険です。すぐに避難できる別の高台や指定された津波避難施設があれば、そちらへ向かってください。

最も重要なのは、避難タワーの開錠方法を発災後に初めて調べるのではなく、平常時に確認しておくことです。入口の表示、鍵ボックスの位置、階段の場所、夜間の照明、別の避難先まで把握しておけば、緊急時の迷いを減らせます。

【問題点・デメリット】津波避難タワーの実態と維持管理費

津波避難タワーは、避難先が近くにない地域で人命を守るための重要な施設です。一方、建設すればすべての問題が解決するわけではありません。避難できる人数、施設までの距離、設備の維持管理、災害後の孤立など、運用面で考えるべき課題があります。

問題点1:収容人数が足りない場合がある

タワーの収容人数は限られています。地域住民に加え、通勤者、観光客、買い物客などが同じ場所へ避難する場合、想定した人数を超える可能性があります。

また、収容人数の数字は、避難対象者が全員安全にたどり着けることを示すものではありません。階段の上り下りに時間がかかる人が多い地域では、面積上の収容力だけでなく、避難開始から到着までの時間や、入口での滞留も検討する必要があります。

問題点2:高齢者や車いす利用者が上りにくい

階段が主体のタワーでは、高齢者、障害のある人、けがをした人、乳幼児を連れた人などが迅速に上ることが難しい場合があります。車いすで利用できるスロープが設置されていても、勾配や距離、移動に必要な時間によっては利用しにくいケースがあります。

国の調査では、2023年4月時点の津波避難タワー等550棟のうち、車いすで利用できるスロープがある施設は231棟、約42%でした。つまり、スロープがない施設も半数近くあります。避難対象に要配慮者が含まれる地域では、階段の幅、手すり、踊り場、スロープの有無、支援する人員まで確認することが欠かせません。

問題点3:屋外で待機することによる寒さや雨風

津波避難タワーは、津波から逃れるための緊急避難施設であり、長期間の避難生活を想定した避難所とは限りません。屋根や壁が十分にない施設では、雨、強風、寒さ、夏の暑さの影響を受けます。津波が引くまで安全な場所で待つ必要が生じた場合、体温の低下や熱中症などへの配慮も必要です。

内閣府の2023年4月時点の調査では、津波避難タワー等のうち、屋根や壁が設置されている施設は251棟、約46%でした。残る施設では屋根や壁がない場合があり、備蓄や防風設備などの条件も一様ではありません。

避難後にどの程度の時間を過ごせるか、飲料水や食料、毛布、簡易トイレがあるか、外部との連絡手段を確保できるかは、施設ごとに確認しておきたい点です。

問題点4:建設費だけでなく維持管理費がかかる

津波避難タワーの建設には、用地確保、地盤調査、基礎工事、鉄骨などの構造材、避難階段、照明、備蓄設備、設計費などが必要です。津波や液状化への対策、屋根や壁、スロープ、寒冷地向けの設備などを追加すれば、事業費はさらに変わります。

建設費の規模を示す事例として、2023年の視察報道では、高知県黒潮町の津波避難タワーが高さ約25m、約230人収容で、建設費は約5億9,000万円と紹介されました。これは特定の施設の事例であり、全国の平均建設費を示すものではありません。

維持管理では、鉄骨や接合部の腐食、基礎や地盤の状態、階段や手すりの損傷、照明、解錠装置、備蓄品の期限、簡易トイレなどの点検・更新が必要になります。塩害を受けやすい沿岸部では、金属部分の劣化にも注意が必要です。

全国一律の維持管理費を単純に示すことは難しく、施設の仕様、立地環境、点検方法、自治体の管理体制などによって差が出ます。建設費が確保できても、長期にわたる点検や設備更新の予算を組めなければ、施設の機能を維持することはできません。

問題点5:施設があっても使い慣れていない

内閣府の調査では、津波避難タワー等のうち、平常時にも利用されている施設は114棟、約21%でした。残る約79%は、平常時の利用がないと回答されています。

普段から入る機会が少ない施設では、入口や階段の位置、避難フロアまでの所要時間、夜間の経路、開錠方法などを住民が把握しにくくなります。防災訓練や地域の防災学習に施設を活用することは、単に防災意識を高めるだけでなく、実際の避難時に迷わないための準備にもなります。

一方、通常利用を増やす場合も、施設の防犯や備蓄品の管理、避難経路を塞がない運用が必要です。日常的な利用と緊急時の即応性を両立できる管理体制が求められます。

公の場での発言・インタビュー報道記録
【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:hamabosai.jp)

【高台避難との違い】津波避難タワーとどちらを選ぶべき?

津波から逃げるとき、基本となるのは、できるだけ高く、津波が到達しない安全な場所へ迅速に避難することです。高台へ移動できる場合は、原則として高台を目指します。ただし、高台までの距離が長い、津波の到達が早い、身体的な理由で移動が難しいといった条件では、津波避難タワーが重要な避難先になります。

高台避難と津波避難タワーの比較

  • 高台避難:津波の浸水想定区域から離れた安全な場所へ移動する方法です。安全な高台まで十分な時間で移動できる場合に優先されます。
  • 津波避難タワー:高台が近くにない地域などで、限られた時間の中で上階へ避難するための施設です。逃げ遅れや移動困難への備えとして役立ちます。
  • 津波避難ビル:津波から逃れるために指定された建物です。建物ごとに避難できる階や入口、利用時間、耐津波性能などを確認する必要があります。

タワーは高台の完全な代わりではありません。津波の浸水が続く間は外へ移動できなくなる可能性があり、漂流物、火災、地盤の変化など、想定条件によっては別のリスクもあります。避難フロアが安全に設計されていることと、すべての災害状況で無条件に安全であることは別です。

また、津波避難タワーは、一般に緊急避難のための施設です。津波が引いた後もそのまま生活できるとは限りません。救助や次の避難先への移動が必要になることを踏まえ、自治体の避難計画に従う必要があります。

南海トラフ巨大地震に備えて、今確認したいこと

南海トラフ巨大地震では、地域によって津波の到達時間や想定される浸水深が大きく異なります。紀宝町のように第一波が最短約5分で到達すると想定される地域では、揺れが収まるまで待ったり、荷物を取りに戻ったりする時間的な余裕はありません。

日頃から次の点を確認しておきましょう。

  • 自宅、職場、学校、よく利用する店舗から最も近い津波避難タワーや高台はどこか。
  • 避難経路は徒歩で何分かかるか。夜間や雨天でも通れるか。
  • タワーの入口はどこにあり、緊急時の開錠方法は何か。
  • 高齢者、障害のある人、乳幼児連れなど、避難に支援が必要な人はどう移動するか。
  • タワーが使えない場合の代替避難先はどこか。
  • 避難後に救助を待つ場所や、次の避難先へ移る方法が決まっているか。

特に、家族や近隣住民と避難場所を共有しておくことは重要です。災害時に通信が途絶え、互いの居場所を確認できなくなることも考えられます。集合場所や連絡方法をあらかじめ決め、地域の避難訓練で実際の経路を歩いておくと、いざというときの判断に役立ちます。

【プロの結論】津波避難タワーを評価するなら「高さ」より先に見るべきこと

津波避難タワーの安全性を考えるとき、最初に目に入るのは高さや収容人数です。しかし、住民が実際に命を守れるかどうかは、それだけでは判断できません。

まず確認すべきなのは、地域の津波想定に対して避難フロアの高さが適切かどうかです。次に、津波が到達するまでに避難を完了できる距離にあるか、入口が緊急時に使えるか、階段やスロープを利用できるか、避難後に安全を確保できるかを確認します。

国の調査では、津波避難タワー等の約83%について、最大クラスの津波に対する安全性が確認されていました。一方、約14%は耐津波性が未調査または未回答に分類されています。未調査だから直ちに危険という意味ではありませんが、施設の存在だけで安心するのではなく、最新の指定状況や安全性の情報を自治体に確認することが大切です。

また、タワーの建設が難しい地域では、既存の建物を津波避難ビルとして活用したり、高台へ続く避難路を整備したりする方法もあります。限られた予算の中で、どの施設を、どの地域に、どのような人のために整備するのか。施設の数だけではなく、地域全体の避難計画として評価する視点が必要です。

津波避難タワーは、津波が来ても必ず助かることを保証する施設ではありません。しかし、高台まで逃げることが難しい地域で、避難の選択肢を増やし、命を守る可能性を高める役割を担っています。設置場所を知り、開錠方法を確認し、避難訓練を通じて実際に使える状態を保つことが、その効果を最大限に引き出す条件です。

【津波避難タワー】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:津波避難タワーは全国に何基ありますか?
A1:内閣府の全国調査では、2023年4月1日時点で津波避難タワー等は550棟でした。南海トラフ地震防災対策推進地域では471棟です。2026年の最新総数とは集計時点が異なる可能性があるため、現在の設置場所は自治体の公表資料で確認してください。

Q2:津波避難タワーの高さは何mあれば安全ですか?
A2:全国一律の高さはありません。地上10〜20m程度の施設もありますが、必要な高さは地域の津波浸水想定、基準水位、地盤の標高、地形などによって変わります。設計浸水深に余裕高2〜4mを加える考え方は参考になりますが、すべての施設に共通する法定の最低基準ではありません。

Q3:津波避難タワーは施錠されていても入れますか?
A3:施設によっては、地震の揺れなどで自動解錠する装置、鍵ボックス、非常用の破壊可能な扉などが設けられています。緊急時は入口の案内に従ってください。開錠方法が分からず津波の到達が迫っている場合は、鍵を探し続けず、すぐに避難できる別の高台や指定避難施設へ向かってください。

Q4:津波避難タワーと高台では、どちらに逃げるべきですか?
A4:安全な高台まで速やかに移動できる場合は、高台避難が基本です。高台が遠い、津波の到達が早い、身体的な理由で移動が難しい場合などは、近くの指定された津波避難タワーや津波避難ビルが重要な避難先になります。地域の避難計画を事前に確認してください。

Q5:津波避難タワーの建設費はいくらですか?
A5:規模や構造、地盤条件、設備によって異なります。高知県黒潮町の施設例では、約230人収容、高さ約25mのタワーの建設費が約5億9,000万円と報じられています。これに加え、点検、腐食対策、照明や解錠装置の保守、備蓄品の更新など、長期的な維持管理費も必要です。

まとめ:津波避難タワーの設置場所と避難方法を事前に確認しよう

津波避難タワーは、高台への避難が難しい地域で、短時間のうちに高い場所へ逃れるための重要な防災施設です。全国の設置状況を見ると、沿岸部を中心に整備が進んでいますが、収容人数や設備、利用方法、安全性の確認状況には地域差があります。

2026年10月に完成した三重県紀宝町の5基目のタワーは、津波が最短約5分で到達すると想定される地域で、近くに避難先を確保する取り組みの一例です。愛知県西尾市の施設では、要配慮者が避難しやすい階段や自動解錠装置など、利用者を想定した工夫が取り入れられています。

いざというときに必要なのは、施設があると知っているだけではなく、どこにあり、どの経路で行き、どう入るのかを理解していることです。自治体のハザードマップと避難施設一覧を確認し、実際の経路を歩いておきましょう。強い揺れや長い揺れを感じたら、津波警報を待たず、すぐに安全な高台や指定された津波避難施設へ避難することが命を守る行動につながります。 (出典: 津波 避難 タワー(Yahoo!ニュース))

津波避難タワー
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