累積相対度数の求め方を例題で解説!計算式・相対度数との違いと中央値まで完全攻略
累積相対度数の求め方は、度数分布表にある「累積度数」を「全体のデータ数」で割るだけです。計算自体は難しくありませんが、相対度数との違いや、階級の「未満」と「以下」の読み分けでつまずく人は少なくありません。
累積相対度数は、テストの点数や身長、調査データなどについて、ある値より小さいデータが全体の何割を占めるのかを把握するための指標です。中学校の数学だけでなく、統計検定3級・2級の学習でも役立ちます。ここでは、20人分のテスト結果を使い、計算式から練習問題、中央値を含む階級の見つけ方まで順番に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 基本の計算式:累積相対度数=累積度数÷全体のデータ数
- 相対度数との違い:相対度数はその階級だけの割合、累積相対度数はその階級までの割合
- 計算ミスを防ぐコツ:最後の階級の累積相対度数は1、パーセント表示なら100%になる
【基本を理解】累積相対度数の求め方と計算式をわかりやすく解説
累積相対度数を求めるには、まず「度数」「累積度数」「相対度数」の3つの用語を区別する必要があります。これらの関係がわかれば、計算の手順は自然に理解できます。
度数・累積度数・相対度数の意味
度数とは、特定の階級に入るデータの個数です。たとえば、40点以上60点未満の生徒が5人いれば、その階級の度数は5です。
累積度数は、最初の階級から現在の階級までの度数を順番に合計したものです。40点未満の生徒が6人、40点以上60点未満の生徒が5人なら、60点未満の累積度数は11人になります。
相対度数は、ある階級の度数が全体のデータ数に占める割合です。度数が5人、全体が20人なら、相対度数は5÷20=0.25となります。
そして、累積度数を全体のデータ数で割った値が累積相対度数です。
累積相対度数の計算式
累積相対度数=累積度数÷全体のデータ数
たとえば、累積度数が11人、全体の人数が20人なら、11÷20=0.55です。つまり、全体の55%がその階級の上限より小さい値に含まれています。
累積度数の求め方は「上から順に足す」だけ
累積度数は、階級を小さい順に並べ、各階級の度数を順番に足して求めます。
- 1番目の階級:その階級の度数をそのまま記入する
- 2番目の階級:1番目と2番目の度数を足す
- 3番目の階級:1番目から3番目までの度数を足す
- 4番目以降:直前の累積度数に、その階級の度数を足す
直前の累積度数に現在の階級の度数を加える方法なら、毎回すべての階級を計算し直す必要はありません。表計算ソフトでも同じ考え方を使えます。

【例題で実践】20人の度数分布表から累積相対度数を計算
ここでは、20人の生徒が受けたテストの点数を例に、度数分布表の書き方と累積相対度数の求め方を確認します。
各階級の度数は、0点以上20点未満が2人、20点以上40点未満が4人、40点以上60点未満が5人、60点以上80点未満が5人、80点以上100点未満が4人だったとします。全体の人数は2+4+5+5+4=20人です。
| 階級(点) | 度数 | 累積度数 | 相対度数 | 累積相対度数 |
|---|---|---|---|---|
| 0以上20未満 | 2 | 2 | 0.10 | 0.10 |
| 20以上40未満 | 4 | 6 | 0.20 | 0.30 |
| 40以上60未満 | 5 | 11 | 0.25 | 0.55 |
| 60以上80未満 | 5 | 16 | 0.25 | 0.80 |
| 80以上100未満 | 4 | 20 | 0.20 | 1.00 |
| 合計 | 20 | — | 1.00 | — |
ステップ1:累積度数を計算する
最初の階級の累積度数は2人です。次の階級では、2+4=6人になります。さらに、6+5=11人、11+5=16人、16+4=20人と計算します。
この時点で、累積度数は「2、6、11、16、20」と求められます。最後の累積度数が全体の人数20人と一致することも確認しましょう。
ステップ2:累積度数を全体の人数で割る
次に、各階級の累積度数を20で割ります。
- 20点未満:2÷20=0.10
- 40点未満:6÷20=0.30
- 60点未満:11÷20=0.55
- 80点未満:16÷20=0.80
- 100点未満:20÷20=1.00
これで累積相対度数が完成します。たとえば、3番目の階級の累積相対度数は0.55なので、60点未満の生徒は全体の55%です。
ステップ3:パーセント表示に変換する
累積相対度数をパーセントで表示する場合は、値に100を掛けます。0.55なら55%、0.80なら80%です。
小数表示とパーセント表示は同じ割合を表しています。問題で指定された形式に合わせて答えましょう。
【混同に注意】累積相対度数と相対度数の違いは何?
相対度数と累積相対度数の違いは、計算に含める範囲です。相対度数は1つの階級だけを対象にしますが、累積相対度数は最初の階級から対象の階級までをまとめて考えます。
具体例で違いを比較
先ほどの例題では、40点以上60点未満の階級の度数は5人です。全体が20人なので、相対度数は5÷20=0.25、つまり25%になります。
一方、60点未満の生徒は累積度数で11人です。そのため、累積相対度数は11÷20=0.55、つまり55%です。
同じ階級を見ていても、相対度数は「その階級にいる人の割合」、累積相対度数は「その階級までに含まれる人の割合」を示しています。
相対度数を順番に足しても求められる
累積相対度数は、各階級の相対度数を小さい階級から順番に足しても計算できます。
例題の3番目の階級なら、0.10+0.20+0.25=0.55です。累積度数11人を全体20人で割った11÷20=0.55と同じ結果になります。
どちらの方法でも答えは同じですが、度数分布表に累積度数が記載されているなら、累積度数÷全体のデータ数で計算する方法が簡潔です。
最後の累積相対度数が1になる理由
最後の階級まで計算すると、すべてのデータが累積度数に含まれます。したがって、最後の累積度数は全体のデータ数と一致し、累積相対度数は全体の人数÷全体の人数=1になります。
パーセント表示なら100%です。これは計算結果を確認するための重要なチェックポイントです。途中の値が間違っていても、最後だけ1になる場合はあるため、各階級の計算も確認してください。

【未満と以下の違い】累積度数が表す範囲を正しく読み分ける
累積相対度数の文章題で間違えやすいのが、「未満」と「以下」の区別です。どちらも一定の値までを表しますが、境界の値を含むかどうかが異なります。
- 未満:指定された値を含まない。60点未満なら60点は含まない
- 以下:指定された値を含む。60点以下なら60点を含む
- 以上:指定された値を含む。60点以上なら60点を含む
- より大きい:指定された値を含まない。60点より大きいなら60点は含まない
例題の「40点以上60点未満」という階級は、60点を含みません。整数の点数であれば、40点から59点までが該当します。
そのため、40点未満の累積度数が6人、40点以上60点未満の度数が5人なら、60点未満の累積度数は11人です。しかし、「60点以下の人数」を求めるには、60点ちょうどのデータが何人いるかも確認しなければなりません。
度数分布表の階級が「60点以上80点未満」のように区切られている場合、60点はその階級に入ります。階級の境界を読み違えると、累積度数も累積相対度数も変わってしまいます。
実践のコツ:問題文の「未満」「以下」「以上」に印を付け、階級の上限と下限を確認してから計算すると、読み違いを防げます。
【中央値を含む階級】累積相対度数からデータの位置を読み取る
累積度数と累積相対度数は、中央値を含む階級を見つけるときにも役立ちます。中央値とは、データを小さい順に並べたときに中央に位置する値です。
中央値を含む階級の見つけ方
先ほどの例題では、全体のデータ数は20人です。データを小さい順に並べると、中央値は10番目と11番目の値の平均になります。
累積度数を見ると、40点未満は6人、60点未満は11人です。したがって、10番目と11番目のデータはどちらも40点以上60点未満の階級に入ります。この例では、中央値を含む階級は「40点以上60点未満」です。
一般的には、データ数を \(n\) とすると、中央の位置は次のように確認できます。
- データ数が奇数:中央の順位は \((n+1)÷2\)
- データ数が偶数:中央の2つの順位は \(n÷2\) 番目と \(n÷2+1\) 番目
累積度数を小さい階級から確認し、中央の順位に当たるデータが入る階級を探します。偶数個のデータでは、中央の2つのデータが異なる階級に入る場合もあるため、両方の順位を確認してください。
累積相対度数が0.5になる場所にも注目
累積相対度数は、データのどのあたりに中央があるかを把握する目安にもなります。全体の50%に達する付近を確認すれば、中央値を含む階級を探しやすくなります。
例題では、40点未満の累積相対度数が0.30、60点未満が0.55です。50%はこの間にあるため、中央値を含む階級は40点以上60点未満と判断できます。
ただし、階級ごとの人数しかわからない場合、中央値の正確な点数までは求められません。中央値を含む階級を特定することと、中央値そのものを計算することは別の作業です。

【練習問題と解答】計算ミスを防ぐコツと統計検定の学習ポイント
累積相対度数の計算を身につけるには、公式を暗記するだけでなく、度数から累積度数、累積相対度数へと順番に計算する練習が効果的です。
練習問題1:累積相対度数を求める
あるクラスの生徒30人について、50点未満の累積度数が9人だったとします。50点未満の累積相対度数はいくつでしょうか。
解答:9÷30=0.30。したがって、累積相対度数は0.30、パーセント表示では30%です。
練習問題2:累積度数を求める
最初の階級の度数が3人、次の階級の度数が7人、3番目の階級の度数が6人だった場合、3番目の階級までの累積度数はいくつでしょうか。
解答:3+7+6=16人です。全体の人数が32人なら、累積相対度数は16÷32=0.50、つまり50%になります。
練習問題3:相対度数と累積相対度数を区別する
全体が40人のクラスで、ある階級の度数が8人、その階級までの累積度数が26人でした。相対度数と累積相対度数をそれぞれ求めてください。
解答:相対度数は8÷40=0.20で20%、累積相対度数は26÷40=0.65で65%です。
統計検定3級・2級の学習で押さえたいポイント
統計検定3級の対策では、度数分布表を読み、度数・相対度数・累積度数・累積相対度数の関係を理解することが基礎になります。特に、最後の累積相対度数が1になることや、階級の境界を正しく読むことは、基本問題を解くうえで欠かせません。
統計検定2級の学習では、相対度数や累積相対度数を単純な計算だけでなく、データの分布を解釈するために使えるようにしておくと役立ちます。医療統計の学習サイト「いちばんやさしい、医療統計」も、2018年11月実施の統計検定2級で相対度数の問題が出題されたことを紹介しています。
また、総務省統計局の学習サイト「Data StaRt」では、度数分布表を使った集計方法や、相対度数・累積度数の意味が解説されています。統計用語集「統計WEB」でも、累積相対度数は相対度数の累積和として説明されています。
こうした学習資料を利用する際は、計算結果だけを覚えるのではなく、「何人いるか」を表す累積度数と、「全体の何割か」を表す累積相対度数を区別して理解することが大切です。
よくある計算ミスと対策
- 全体の人数を間違える:度数の合計を先に計算し、分母を確定する
- 累積度数を足し間違える:前の累積度数に現在の階級の度数を加える
- 相対度数と混同する:その階級だけの割合か、そこまでの合計の割合かを確認する
- パーセント変換を忘れる:小数で答えるのか、100倍して%で答えるのかを確認する
- 最後の値が1にならない:累積度数と全体の人数、割り算、丸め方を見直す
なお、相対度数を小数第2位などに丸めてから合計すると、表示上の合計が1や100%とわずかにずれることがあります。途中の計算では可能な限り丸める前の値を使い、最終結果を確認しましょう。
【累積相対度数求め方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:累積相対度数の計算式は何ですか?
A1:累積相対度数=累積度数÷全体のデータ数です。たとえば、全体が50人で累積度数が35人なら、35÷50=0.70となり、70%です。
Q2:累積相対度数はパーセントで表示してもよいですか?
A2:はい。小数の累積相対度数に100を掛ければパーセント表示になります。0.70なら70%です。問題で指定された表示形式に合わせてください。
Q3:累積相対度数の最後の値が1になるのはなぜですか?
A3:最後の階級まで進むと、すべてのデータが累積度数に含まれるからです。累積度数と全体のデータ数が一致するため、割り算の結果は1、つまり100%になります。
Q4:累積度数の「未満」と「以下」はどう違いますか?
A4:「未満」は指定された値を含まず、「以下」はその値を含みます。60点未満なら60点を除き、60点以下なら60点も含みます。階級の境界を確認して判断しましょう。
Q5:累積相対度数から中央値を含む階級を見つけられますか?
A5:はい。累積度数で中央の順位を確認するか、累積相対度数が0.5に達する付近を調べます。ただし、度数分布表だけでは中央値の正確な値までわからない場合があります。
まとめ:累積相対度数は公式・階級・全体の人数の3点で攻略
累積相対度数の求め方は、累積度数を全体のデータ数で割ることです。まず階級ごとの度数を順番に足して累積度数を求め、その値を全体の人数で割れば計算できます。
相対度数はその階級だけの割合、累積相対度数はその階級までの割合という違いを理解しておけば、度数分布表の読み取りも簡単になります。パーセント表示では100倍し、最後の階級が1または100%になることを確認しましょう。
さらに、「未満」と「以下」の違いを正しく読み分け、累積度数から中央値を含む階級を探せるようになれば、応用問題にも対応しやすくなります。公式を覚えるだけでなく、例題と練習問題を通して、計算の手順と数値が示す意味をセットで身につけることが得点力につながります。 (出典: 累積 相対 度数 求め 方(Yahoo!ニュース))